県内野球情報
2026年04月16日

【シリーズ 女子野球最前線】新川高校女子硬式野球部

ボールシティとやまプロジェクトでは、マイナビオールスターゲーム2026のPRに加えて、女子野球の発展なども含めて事業を展開しています。シリーズ「女子野球最前線」では、富山県内ですすむ女子の野球に関する特集をご紹介していきます。
第2回の今回は、この春、富山県初の女子硬式野球部が誕生した新川高校(魚津市)の今方杏香監督に、野球部への思いや、未来への展望についてお話を伺いました。

新川高校の女子硬式野球部の監督に就任した今方杏香さん

富山県にはこれまで、高校生の女子が部活動として野球をできる環境がありませんでした。小学校や中学校で野球を続けてきた女の子たちが、高校で本格的に野球を続けたいと思っても、県内には受け皿がなく、近隣でいえば福井県や新潟県、岐阜県、愛知県といった県外の高校に進学するしかなかったのです。これは、若者の県外流出の一因にもなっていました。

こうした状況を受け、新川高校を運営する荒井学園が手を挙げました。魚津市は女子野球の聖地と言われるほど、地域が野球を応援してくれる土壌があります。本学全体でこのプロジェクトを推進することになり、地域全体で女子野球を盛り上げていこうという強い思いから、女子硬式野球部の設立に至りました。そして、私に監督の声がかかることになったのです。


私は小学校から野球をしていましたが、中学校には女子が野球部に入ることができない時代でした。本当は野球部に入りたかったのですがそれも叶わず、ソフトボール部もなくなってしまっていたので、テニス部に入りながらも、妹の練習に付き合ったり、母のソフトボールの大会に出たりして野球への情熱を繋いでいました。

中学3年生の時に今後の進路を親と相談したところ、女子野球のクラブチームが県内にできることを知り、高校からはそのクラブで野球をすることにしました。また高校では男子野球部のマネージャーも兼任しながら、選手としても練習に参加していました。体力トレーニングなど男女関係なくできることは男子と一緒に練習し、野球選手として強くなりたいという気持ちで取り組んでいました。平日は学校の部活動、土日はクラブチームの練習と、毎日野球漬けの日々でしたね。

大学は体育学部へ推薦で入学し、準硬式野球部に所属しましたが、女子は試合に出られない規定があったため、練習のみの参加でした。それでも試合がしたかったので、所属していたクラブチームのOGたちと新たに社会人の女子チームを結成し、大会に出ていました。

3年ほど前、父が監督を務める小学生の女子野球チームに、一番下の妹が選手として入ると聞いて、私も手伝いに行くようになりました。そこで、こんなにも多くの女の子が野球をしているんだ、自分たちの時とは変わっているんだと驚き、感動しました。もっと深く関わりたいという思いが強くなり、2年間ほどコーチとして携わることとなりました。女の子ならではの悩みを聞いたり、監督の言葉を噛み砕いて伝えたりと、選手と監督の間の仲介役のような立場で、選手たちと深く関わってきました。こうした経験が今の立場になっても生かせるのだと思っています。


新川高校の女子硬式野球部は、今年1月に創部が決まり、まだ部員を募集している段階ですが、今後は私自身もクラス担任や体育科の教員として働きながら、部員募集も行っていきます。現役の生徒の中から興味を持ってくれる子がいれば、もちろん大歓迎です。

練習環境は、魚津市と相談しながら準備を進めています。本校には男子の硬式野球部があるのでグラウンドを使うこともできますが、男子と一緒に練習するのが難しい場面もあるでしょう。そこで、天神山野球場や桃山球場のサブグラウンドをうまく使用できるようやり取りを進めています。

学校としても初期投資として、道具を揃えたり、移動に関する準備を進めたりしています。女子野球は高野連や高体連の管轄ではないため、スポンサーからの支援もオープンに受けられるのが特徴です。今後は地域の企業からの支援もいただきながら、活動を通じて注目度を高めていきたいと考えています。

また、中学で野球を教えているチームを訪問し、挨拶に回っています。女子野球部の設立はまだよく知られていない部分もあるので、直接お会いして説明し、生徒確保に繋げていきたいです。魚津市は地域からの応援も厚く、毎年8月に開催される全日本大学女子野球選手権大会では、住民の方々がテントを張ってケータリングなどを振る舞ってくれるなど、とても盛り上がります。そういった地域の応援を巻き込みながら、地域全体で女子硬式野球部を盛り上げていきたいと思っています。

同校の屋内施設も練習場の一つ

私が子どもの頃と今では、女子が野球をする環境は大きく変わりました。昔は「女の子が野球なんて」「ソフトボールじゃないの?」と言われる時代でした。しかし今は、女子でも男子と同じように様々なスポーツができる時代です。野球をやりたいという気持ちに壁を感じてほしくないですし、選択肢の一つとして野球を選んでくれる女の子が増えたら嬉しいですね。


女子野球の発展、競技人口の拡大はもちろんなのですが、何よりもこの女子硬式野球部が、富山県全体にとって大きな意味を持つと信じています。これまで富山県で高校野球を続ける環境がなかった女の子たちにとって、この高校野球部がその穴を埋める存在となるでしょう。

そして、この女子野球部が地域を盛り上げるきっかけになれば嬉しいです。勝つ、負ける、強い、弱いということだけでなく、この取り組みによって富山県全体が元気になることを期待しています。地域の方々には、ぜひ肯定的に応援していただきたいです。

また、野球を始めたばかりの女の子たちが、「私もあんな風になりたい」と思えるような、未来のロールモデルとなるような選手が増えてほしいです。お手本となるような人が増えれば、野球をやりたいと思う女の子も自然と増えていくはずです。それが女子野球の人口拡大にも繋がっていくと信じています。

私も含め、先生方、そして地域の皆様が一体となって、この女子硬式野球部を盛り上げていきますので、ぜひ温かいご声援をよろしくお願いいたします。

ボールシティとやまプロジェクトでは、7月29日に富山市民球場で開催の
マイナビオールスターゲーム2026を応援しています。

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